旧作考察『ジャスティス・リーグ:ザック・スナイダーカット』3部作が完成していたら

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2017年公開の映画『ジャスティス・リーグ』。

DCEU(DCエクステンデッド・ユニバース)で展開されていたヒーローが集結するも、ザック・スナイダーが急遽降板したことで大幅に方向転換されてしまった作品です。

ファンの要望もあって異例の中、HBO Maxで2021年に配信されたのがザック・スナイダー版とも言える『ジャスティス・リーグ:ザック・スナイダーカット』。

本来ジャスティス・リーグは3部作として構想されていたことから、『ジャスティス・リーグ:ザック・スナイダーカット』の配信後、ザック・スナイダーによる『ジャスティス・リーグ2』、『ジャスティス・リーグ3』の構想もあかされています。

この記事はDCEU映画の一部ネタバレ前提で進みますので、作品を観ていない方などネタバレを回避したい場合はご注意ください。

目次

ジャスティス・リーグ2の構想

ダークサイドが最大の敵として登場

スナイダー監督は『ジャスティス・リーグ:ザック・スナイダーカット』の続編として、ダークサイドとの全面戦争を構想していました。ダークサイドは『ジャスティス・リーグ:ザック・スナイダーカット』にも登場していたキャラクターですが、『ジャスティス・リーグ』ではカットされていました。

“ナイトメア”世界の扱い

“ナイトメア”未来世界(Knightmare)は、続編にも重要な位置づけとして組み込まれる予定でした。これは『バットマンVSスーパーマン ジャスティスの誕生』の中でブルースが見た悪夢のことで、荒廃した未来を舞台に、スーパーマンが人類の敵になった世界で、バットマンがミリタリー要素を取り入れたコスチュームを着用していますが、“ナイトメア”という言葉はこの時のバットマンの姿を指しています。

つまり、悪夢が現実になる展開だったのかもしれません。

地球の陥落と変貌の描写

地球はアポコリプス(Apokolips)のような姿へと変貌を遂げ、破滅的な展開が描かれる構想でした。

ロイス・レインの死とスーパーマンの堕落

ダークサイドがバットケイブでロイスを殺害することで、スーパーマンが深い悲しみに陥り、反生命方程式に染まる展開を予定していました。これは『ジャスティス・リーグ:ザック・スナイダーカット』でステッペンウルフが発見しており、未来の可能性としてロイスの死をきっかけに方程式に制御されたスーパーマンが描かれました。

フラッシュの時間移動による介入

唯一の生存者となったフラッシュが、サイボーグの装置(コズミック・トレッドミル)を使って過去に戻り、未来の悲劇を阻止する展開も織り込まれていました。

ロビンの死とジョーカーの描写

ジョーカーによって殺されたロビン(伝承上はディック・グレイソン)について、フラッシュバックとともに描く場面も構想に含まれており、バットケイブでの“最後の晩餐”のような勇壮な場面で描かれる予定でした。

グリーンランタン登場の可能性

グリーンランタン(ハル・ジョーダンを含むコープス)が続編で登場する構想もあり、チャールズ・ローヴェン(製作側)がマーク・ウォールバーグにハル・ジョーダン役を検討していたという噂もありました。ただ2011年版が成功していればライアン・レイノルズが続投していた可能性もありそうですが、実際にスナイダー監督はライアン・レイノルズと話したことすらなかったそうです。

構想をまとめると

これらの構想から予想される展開は、「ダークサイドが勝利する」ということ。ダークサイドがロイス・レインを殺す目的は、スーパーマンの精神を破壊し、反生命方程式に取り込むことであったことも構想としてあったようなので、ジャスティス・リーグは反生命方程式に取り込まれたスーパーマンによって壊滅状態に追い込まれ、結果として「ダークサイドが勝利する」というニュアンスのようです。

また当初の構想で『ジャスティス・リーグ』の時点で、スーパーマンを失った絶望状態のロイスと、その悲しみを共有するブルース・ウェインの間に子供ができ、スーパーマンが復活したあとはロイスは子供の父がブルースであることを隠したままスーパーマンと共に生活する。といったものもあったようです。

ただこの設定については、スタジオ側(ワーナー・ブラザース)から非常に否定的な反応があったため、実際の映像化には至りませんでした。実現されていれば『ジャスティス・リーグ:ザック・スナイダーカット』の時点でストーリーが盛り込まれていたかもしれませんが、スナイダー本人も、構想を「変えるつもりがあった」と話しており、ファンの反応を踏まえてこの「ロイスとブルースの子供」設定は最終的には修正された可能性が高そうです。

ジャスティス・リーグ3の構想

完全な“ナイトメア”世界での最終決戦

“ナイトメア”とされる終末世界が舞台。アポコリプス軍との最後の戦いという設定でした。

フラッシュのタイムトラベルによる決着

フラッシュが時間旅行によってシリーズをリセットする展開になっており、スーパーマンの堕落を阻止するクライマックスが構想されていました。

バットマンの自己犠牲

ロイスを救うためにバットマンが自己犠牲を選び、それによってスーパーマンがリーグのリーダーとして立ち上がる描写も含まれていました。

スーパーマンが「真のヒーロー」に

バットマンの犠牲後、スーパーマンはクラシックなスーツに戻り、人類や様々な勢力を結集して打倒・ダークサイドへ向かう展開が構想されていました。

連合勢力の集結

アトランティスの王アクアマン、アマゾンの王女ワンダーウーマン、地上の軍勢、そしてグリーンランタン・コープスが勢ぞろいする戦いで、シリーズの頂点を描く予定でした。

バーバラ・ゴードンの台頭、そして次世代の新バットマン

ゴードン警察署長から引退後にバットガールへと転身し、その後ロイスとスーパーマンの息子が新たなバットマンとして登場する未来も構想に含まれていました。

構想をまとめると

戦いに負けたジャスティス・リーグの中で唯一生き残ったフラッシュが過去へ戻り、スーパーマンの堕落を阻止。つまりバットマンが犠牲になることでロイスの死を防いで、みんなでダークサイドを倒しに行くという展開だったようです。

もし3部作が完成していたら

この構想、実現していればどうなっていたか。予定通りスナイダーが監督を全うし2017年に本来の『ジャスティス・リーグ』が公開されていれば、確実に『アベンジャーズ/インフィニティー・ウォー』と公開時期が近くなるはず。

その上でヴィランが勝利する展開、タイムトラベルによって解決する展開、主役に近い存在が死ぬ展開、かなり共通項があります。

そう考えると早い者勝ちのヒットとなるか、どちらも大コケするかの流れになっていたかもしれません。

まとめ

もしザック・スナイダーの構想通りに『ジャスティス・リーグ』3部作が実現していたら、DCEUはまったく異なる軌道をたどっていたことでしょう。ロイス・レインの死を引き金にスーパーマンが堕落し、反生命方程式に取り込まれるという衝撃的な展開。ダークサイドの侵略とナイトメア世界の到来、バットマンの自己犠牲、そして次世代バットマンの誕生。スナイダーは、ヒーローたちの絆と葛藤を極限まで描き出す“神話”のような物語を描こうとしていました。

コミックファンにとっても驚きのオリジナル要素が詰まったこの3部作は、賛否を超えて唯一無二のビジョンとして語り継がれています。実現しなかったからこそ、いまもなお「もし完成していたら…」という想像が尽きることはありません。

スナイダーバースは、未完のまま伝説となった、DCユニバースの可能性のひとつになってしまいました。

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この記事を書いた人

映画・海外ドラマ考察大好きな人。考え始めると止まらなくなってしまう人。あらゆる可能性があるほど、いろんな意見を見るほど読み込んでしまう人。主にアメコミ系などの洋画や海外ドラマが中心ですが、基本的には洋画・海外ドラマ好きな人です。

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